アタマの中の大きな重りが取れた。
２キログラムくらいあったかもしれない。
そんな感じ。

すると、すぐに、それまで気付かなかった、
肩の上に乗っていた大きな重りも取れた。
それぞれ５キロずつはあったかもしれない。
ああ、肩も楽になった。

と思っていると、暫らくして、
腰にぶら下げていた重りも取れた。
これは、左右４キロくらいあった感じ。

重りが取れると身体がとても軽くなった。
歩くのがとても楽になった。
なんだ、なんだ、こんなに楽々としてていいんだ。
知らなかった。と思った。

軽々と歩き始めると、
腕の筋肉にも小さな分銅がついているのが分ってきた。
それが沢山、スズランの花のようについている。
それも取れた。
ほほー、腕も軽くなった。
さっぱりした腕をぐるぐる回してみた。
なんと、軽く回るのだ。ビックリだ。

と次は、足の腿や、脛などにも、分銅がついているが分った。
それらも、ざざーっと、そぎ落とすようにまとめて取れた。
足が軽いって、そうか、こういうことか。
足が本当に軽くなった。

気がつくと、顔にも沢山、大小の分銅がぶら下がっていた。
それらも、パラパラと落ちていった。
すると、深刻で暗かった顔が、暗雲が晴れるように、
明るいキレイな輝く表情になった。

へぇー、顔の筋肉にもねぇ、それぞれ分銅がぶら下っていたのかぁと、自分で驚いた。

アタマの中の重りを落とすだけで、連鎖反応的に、
その１０倍も１００倍もの重りを、身体から落とす事ができた。
そして、本当に身も心も軽くなった。

軽い、軽い、だから、浮いてしまいそう。
私は、一応、大人しく街を歩いているけど、
気分は、いつも、春風のエアマットの上を、
スキップしている。

宝彩有菜

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